オフィシャルブログ

第13回機械器具設置工事雑学講座

皆さんこんにちは!

聖心工業株式会社、更新担当の中西です。

 

 

 

機械器具設置工事と環境への配慮 ~巨大な設備の“裏側”で求められる静かな責任~

今回は、あらゆる産業の現場で行われている「機械器具設置工事」に焦点を当て、環境への影響と、その配慮がどのように実務で行われているのかをご紹介します。


■ 機械器具設置工事とは?

「機械器具設置工事」とは、工場・発電所・ビル・公共施設・物流センターなどにおいて、大型の機械設備(製造機器、昇降装置、発電機、ポンプ、配電盤、空調機など)を安全かつ正確に据付・固定・調整する工事を指します。

たとえば:

  • 発電プラントのボイラーやタービンの設置

  • 空港の手荷物搬送システム据付

  • 大型印刷機・NC旋盤の組立・試運転

  • 冷凍倉庫の大型空調ユニット据付

など、産業の“心臓部”ともいえる機械を支える重要な工種です。


■ 機械器具設置工事の環境負荷とは?

目立ちにくい工事ですが、実は複数の環境要素に影響を及ぼす業務でもあります。


① 重機・搬送車両によるCO₂排出・騒音・振動

設置工事では、大型クレーン・フォークリフト・トレーラーなどの重機や車両が使用され、現場周辺のCO₂排出・騒音・振動公害の原因になることがあります。


② 搬入時の梱包材・養生材・端材の廃棄

  • 発泡スチロール、木パレット、ラップフィルム

  • 一時的な作業足場材、カバー材の切れ端

これらの産業廃棄物やプラスチックごみの処理も、設置工事に伴う大きな課題の一つです。


③ 化学物質・油類の取り扱いによる土壌・水質リスク

  • 潤滑油・冷媒・作動油の漏洩

  • 洗浄作業での中和剤や薬品の使用

これらが漏れることで、周辺環境の汚染や地下水への影響が懸念されます。


■ 現場で進む環境配慮の取り組み

● 脱炭素を意識した重機の導入

  • ハイブリッド式クレーンや電動フォークリフトの採用

  • アイドリングストップ・排ガス規制適合車の使用

  • トレーラーのルート最適化で燃料消費を削減

CO₂排出量の削減は、今や施工品質と同等に求められる“社会的責任”です。


● 廃材の再利用・資材の選定改善

  • 養生材や搬入資材の再利用・回収

  • 梱包資材を「リターナブル(再使用)型」に変更

  • 木パレットの分解・再活用

**“使い捨てない現場”**をテーマにした資材選定が進んでいます。


● 油類・薬品の管理マニュアル化

  • 漏洩防止マット・ドレンパンの常備

  • 作業員へのMSDS教育と取扱講習

  • 廃液の回収・中和処理の徹底

“仮設工事だから雑でいい”はもう通用しない時代。一時作業であっても環境管理が問われる現場です。


■ 法令と現場の責任

  • 建設リサイクル法、騒音規制法、水質汚濁防止法、PRTR法など

  • 電気設備・機械設置も**「工事一式」ではなく「環境管理責任者の配置」が求められるケース**

施工業者としてのコンプライアンス遵守は、企業イメージや再受注にも直結します。


■ まとめ:目に見えない“機械の足元”が、環境への入り口

機械器具設置工事は、工場やインフラの“スタートライン”をつくる仕事です。
その裏で、環境への細やかな配慮ができるかどうかが、現代の施工品質の一部とされています。

産業の基盤を支える者として、私たちは“動かす力”と同時に“守る配慮”も携えて現場に臨まねばなりません。

 

 

次回もお楽しみに!

 

 

 

聖心工業株式会社では、一緒に働いてくださる仲間を募集中です!

私たちが採用において最も大切にしているのは、「人柄」です。

ぜひ求人情報ページをご覧ください。皆さまのご応募を心よりお待ちしております!

 

 

 

詳しくはこちら!